チーズが販売されているお店にはほぼ販売されているタイプなので、意識しなくとも食べたことのある方は多いと思います。
一般的に販売されていますが、保存方法・食べ方などって意外にわからないものですよね。
このブログではそんなオーソドックスだけどわからないことだらけのハードタイプについてご紹介です!
ハードタイプのチーズ特徴って?
昔から保存食として作られてきたため大型で、長期熟成される場合が多いのでうまみの強いチーズであるのが特徴です。
また、熟成期間は1年前後と長く、熟成中に水分が抜け、よりチーズが硬くなっていきます。
さらには熟成期間が長く2年・3年などのものもあり、エクストラハードタイプ(超硬質タイプ)と分類されるものもあります。
ハードタイプは大型のものが多い!
ちなみに、チーズが大型といってもせいぜい1㎏とかを想像しませんか?
ハードタイプの大型は平気で10㎏を超えてきちゃいます!
中にはチーズ1つで100㎏を超えてくるものもあるくらいです。
チーズ専門店に行くと直径1mくらいある大きなハードタイプが並べられていることもありますよー!
なんで大型に?
ハードタイプは「山チーズ」とも呼ばれていて、昔から山岳地域で作られてきました。
家畜の飼育頭数が少ないため、個々の生産者ごとでチーズを作ることが手間だったり、できなかったりしました。
そのため、ミルクを無駄にしないよう、村々ごとにミルクを集めそれをチーズにするという流れだったようです。
そしてチーズを作った山岳地から標高の低い街へ輸送する際に、背負いやすく・背負える重さの10~50㎏が主に作られていたみたいです。
その結果、フランスでは「村1つに1種類のチーズがある」といわれるほど、個性的で特色のあるチーズが作られていたんですね!
セミハードタイプとハードタイプの違いは?
チーズの元であるカードの加熱温度によって変わってきます。
レンネットなどの凝乳酵素を添加後、ミルクがプルプルに固まっていきます。
固まったら細かくカットして、カードから水分を抜き出していきます。
その時の工程で、40度以上~50度未満に加熱したものはハードタイプとなり、40度未満で作られたものはセミハードとなります。
加熱温度が高いことによってカードから水分が抜けやすく、より硬いものになりますし、
加熱温度が少し低いことによってカードから水分が抜けにくくなるため、水分量が少し多くなります。
この記事⑤の段階前で加熱をするかしないかで、セミハードかハードになるかが決定します。
また、チーズに含まれる水分量によって熟成期間も変化してきます。
水分量が少なければ少ないほど、腐りにくく長期保存が効きますよね。
菌やカビが生きているナチュラルチーズで、長期保存ができるということは、長期熟成ができることと同じ意味になってきます。
なので、ハードタイプはより長期間熟成ができて、長期熟成することで水分が蒸発しかっちこちになるんです!
ハードタイプの選び方【購入時】
このタイプはが少なく熟成速度がゆっくりなため、あまり気にせず購入して良いと思います。
もしカットした表面に亀裂や割れがあった場合は他のチーズを選びましょう。
ハードタイプのおすすめの食べ方
食べる分のチーズをカットし、冷蔵庫から出して30分以上経過させてから食べるとおいしいです。
時間に余裕のある場合はより時間をおいて食べると、チーズの芯まで常温になります。
さらにチーズの風味を味わえ、おいしくなると思います。
表皮の処理は?
長期熟成しているチーズが大半なのと、熟成時チーズの乾燥を防ぐため表面にワックスを塗っているものもあります。
そのため表皮を食べることは少ないです。
大抵はカットして表皮は処分します。
ハードタイプの切り方
ハードタイプは様々な切り方があります。
ナイフで切る・かち割る・薄くスライスする・削る方法などなど・・・それぞれ感じられる味や風味・料理での見た目が変わってくるのでいろいろ試してみると面白いですよ♪
道具編
切り方編でご紹介している4種類の中からどの方法を使うのかによって道具の選択が変わってきます。
- ナイフで切る方法
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チーズナイフや包丁で。
硬い大きいチーズをカットする場合には、ナイフの柄が短いと手が滑り危険なので、柄の長いタイプを選んでください。 - かち割る方法(砕く)
- 薄くスライスする方法
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チーズスライサーやピーラーなどで薄くチーズをスライスします。
- 削る方法
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チーズおろし器などで粉チーズのように削ります。
400円程度のもので1度削ってみましたがおろし器自体が小さいため、右手でおろし器をもって、左手で力を入れチーズを削らなくてはなりません。
安定感がなく、チーズがとても固いものだった場合はとても削りにくいものになってしまいます。手を傷つけてしまう恐れが高いため、注意が必要です。
切り方編
ナイフで切る方法
チーズナイフなどで放射線状やチーズを横に倒し垂直にカットします。
硬いので手を切らないように注意してください!
かち割る方法(砕く)
チーズ1つ1つの粒が大きくしっかり噛みしめることができるので、食感・風味などをしっかり味わいたい方におすすめ!
さらに、熟成期間が長いほどチーズのうまみがあるため、かち割ることをおすすめします。
薄くスライスする方法
スライスすることで舌に乗せたときに、チーズが溶けやすく主に香りを楽しむことができます。
削る方法
こちらもチーズの香りを楽しむことができて、パスタ・サラダなどにかけるものが一般的です。
小さくて削れなくなったチーズは、ナイフでカットや、そのまま食べたりしてみてください。
ハードタイプの保存方法
ラップやクッキングシートなどで巻き、容器などに入れ冷蔵庫保管でOK!
チーズの表面やラップなどが濡れてきたら、水分をふき取ったり、ラップや紙を新しいものに変えましょう。
もしもカビが生えてしまったらその部分は切り落としてください。
代表的なハードタイプのチーズ
パルミジャーノ・レッジャーノ
イタリアで生産されているチーズで1つ30㎏以上もする大型チーズ。
パルミジャーノ・レッジャーノはイタリアで伝統的製法で作られたもののみ名乗ることができます。
よく粉チーズでパルメザンチーズが販売されていると思いますが、あれはパルミジャーノ・レッジャーノの製法を真似して作ったチーズになるので、近しい存在ではありますが、別物という扱いになっています。
薬でいうとジェネリック医薬品みたいな感じになるかな?
ちなみに、スーパーでパルミジャーノ・レッジャーノ 〇〇か月熟成 という商品が販売されていることが多くあるので、それを買ってみてチーズおろし器で削ってみてください!
パルメザンチーズとは香りが別物です!
でも、食べる分だけ削ってくださいね。削って保存しておくだけで香りは失われちゃうので…
コンテ
フランスチーズの中で最も生産量が多く、1つ40㎏前後する大型チーズ。
このチーズは12世紀ごろから作られている記録が残っていて、山チーズの特徴である「村のミルクを集め1つのチーズを作る」代表的なチーズです。
また冬は原料である牛乳の乳量が減ってしまうためこの大型チーズを作ることができません。
そのため、春から秋に作られるチーズです。
冬は別のチーズが作られ、サイズが小さく・熟成期間の短いモン・ドールが代わりに生産されます。
エメンタール(エメンターラー)
よく絵文字や、チーズを表す記号・トムとジェリーなどで気泡のあるチーズを目にしませんか?
それは大体このエメンタールチーズである場合がほとんどです!
気泡はチーズアイといって、熟成段階でチーズ内部に発生したガスがチーズを押し広げ、作り出しているといわれています。
また別名を「チーズの王様」とも言い、チーズ1つが100kgを超えることもあります!
100㎏のエメンタールを作るために、牛乳が1000リットル必要なんです。すごいですよねー!