世界三大ブルーチーズの1つとしてあげられるこのロックフォール。
2000年前、羊飼いが洞窟の中にチーズを忘れ、数か月後戻ってみるときれいな青カビに覆われたチーズになっていたという逸話があり、それが今のロックフォールです。
フランスで最も歴史の古いチーズです。
現在でも昔からの作り方は変わらず、フランスロックフォール村にある天然洞窟で熟成させたもののみが、ロックフォールを名乗ることができるようになっています。
ロックフォールの特徴
チーズの名前 | ロックフォール(Roquefort) |
チーズの分類 | 青カビタイプ |
原料乳 | 羊乳 |
産地 | フランス |
このチーズの特徴と言ったら、ブルーチーズの中でもクセが強く、しっかりと青カビの風味や、ミルクの風味が味わえることでしょうか。
羊の乳を使っており臭いかな?と思わせてほとんど羊の匂いをさせないチーズになっています。
でも、羊乳が持つ高脂肪分の特徴が残っていて、食べるととてもなめらかで、すっと溶けるくちどけです。
一度食べると独特な風味と、柔らかいくちどけで病みつきになってしまう方もいるくらいです。
ロックフォールの豆知識
ロックフォールチーズが生まれた逸話
ロックフォールには面白い逸話が残っていて、この逸話は2000年以上前のものといわれています。
フランスのロックフォール村のある洞窟に、羊飼いがチーズを忘れたそうです。
ロックフォールの逸話
忘れたことに気が付き、取りに戻ってみると表面にカビが生えていました。
しかし、チーズ自体は腐っておらず、食べてみると大変美味しくなっていたそうです。
このように、意図せずこのロックフォールが作られた逸話でした。
現在もこの村の洞窟では、変わらぬ伝統的な作り方で製造されています。
ロックフォールチーズを生み出すロックフォール村について
逸話に出ていた村はロックフォール・シュル・スールゾン村という場所で、人口は700人に満たない小さな小さな村です。
村民の大半はレストランやチーズ販売・製造など、チーズにかかわる仕事をしているそうです。
その村にあるコンバルー山には天然洞窟がいくつもあって、チーズは村の工房で作り、作ったチーズを熟成させる熟成庫として天然の洞窟が利用されているようです。
洞窟で2週間以上熟成させたものが晴れてロックフォールチーズを名乗ることができます。
チーズの熟成に欠かせないフルリーヌ
天然洞窟の中は気温と湿度が変わらずロックフォールの熟成環境にはとても適しています。
なぜでしょう?
洞窟内にはフルリーヌという亀裂がいくつもあって、その亀裂から常に微風が吹いています。
それによって洞窟(熟成庫)内を風通し良くし、気温9度、湿度90パーセントに維持しています。
この環境がロックフォールチーズにとっては無くてはならないものなんですね!
昔ながらの伝統製法
現在ロックフォールチーズを作ることが許されている会社は合計8社あるそうで、会社それぞれで微妙に製法が変わってきます。
製法が微妙に変わるだけでチーズの味が変わってくるため、8社それぞれ食べ比べしたくなっちゃうんです!
また、昔ながらの製法を行っていることで大量生産が難しく、その分ほかのブルーチーズよりも割高になってしまっているのが現状です。
ほかのブルーチーズよりなんでしょっぱいの?
大体のチーズは熟成をしている段階で、塩水に漬ける方法が一般的ですが、このチーズは粗塩をチーズ表面に刷り込みます。
これも昔ながらの作り方を継承しているそうです。
青カビの添加方法がものすごく個性的!
青カビの添加方法が個性的な製法をしているんです!
ライ麦パンを工房で焼き、あえて放置して青カビを大量に生やすんです。
その青カビだけを取り出して、青カビの粉にし、チーズを作る過程のミルクに混ぜ込むことで青カビを添加しています!
この製法も8社あるうちの一部しかしていないそうで、今回ご紹介するカルル社のロックフォールは、ライ麦パンに増殖した天然の青カビで作っているそうです。
パピヨン社の製法ページ紹介
ロックフォールの製造を許されている内の1社であるパピヨン社のサイトに、詳しい制作動画なども載っているので興味がある方は是非見てみてください!
海外のサイトなので読み込みに結構時間がかかっちゃうかも…?
ちなみにこの会社の作り方はほぼ機械で、先ほどご紹介したすべて手作業にこだわるカルル社とは全く異なる製法です。
ちなみにロックフォール製造No1はソシエテ社でシェアの80%を誇っています。パピヨン社は10%、カルル社はたったの1%!
残りの5社で9%…
カルル社ロックフォールを食べてみての感想
今回すべて手作りのカルル社で作られているロックフォールを食べてみたのでその感想です!
すべて手作りで作られているため、チーズ個体によって違いが出てしまいます。
今見ているあなたが食べるロックフォールはまた違う味わいかもしれません。
まずは外観や香りから
製造時にメーカーロゴなどが書いてあるアルミホイルが巻いてあって特別感があります!
断面は穴ぼこだらけで、でも機械で作られたブルーチーズにはない、不均等な青カビの繁殖でした。
チーズの色もほかにはなく、アイボリーだけど青カビが侵食したような緑っぽい薄い色が全体についていました。
ロックフォールはとても柔らかく、青カビが内部に細かく育っているので、カットはとても難しく素早くカットしないとぽろぽろと崩れてしまいます。
また、普通の包丁やナイフだと刃にチーズがこびりつきと専用のチーズナイフやリールが必須だと感じました。
肝心の味は?
まず初めにピリッと青カビ特有の刺激ともに、ロックフォールの独特な香りと味が襲ってきます!
羊乳を使っていることで、羊臭いのかな?と思いきやほとんど獣臭さは感じさせず、牛乳チーズですと言われてもわからないくらいです。
くちどけはクリーミーでとろけ、青カビの部分はたまに粗塩のようなざらついた食感があります。
後半にはミルクの甘みや、うまみ、コクが感じられて、食べ終わってしばらくしてもロックフォールの味が後を引きます。
まとめると…
柔らかくてクリーミー。
塩味が強く独特な風味・味が強く感じられるチーズでした。
世界三大ブルーチーズの中で1番癖が強く、チーズ慣れしていない人には食べにくいものだと思います。
チーズ慣れしていない方は是非、穏やかな国産ブルーチーズか、ゴルゴンゾーラドルチェなどから挑戦してみてください!
私はクセの強いチーズを食べたいと思ったらこのチーズだなと思います!
ロックフォールを食べるなら…
チーズ専門店はほぼ販売があります。
成城石井やカルディコーヒーなどの比較的高級スーパーなどでもたまに販売があります。
また、ロックフォールは昔ながらの製法で尚且つ製造方法がルール決めされているため、価格がどうしても高くなってしまいます。
ダナ・ブルーというデンマークで作られているチーズは、ロックフォールをお手本としたチーズで、スーパーでもよく見ます。
価格はなんと…ロックフォールの30%くらいで購入できますよ!
こちらのロックフォールは今回ご紹介したものと同じチーズです!
こちらはスーパーでもよく見るタイプのダナ・ブルーですっ!